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湊(みなと)夏祭り

2019年08月26日 03:24

 

「震災で途絶えてしまった“湊の夏祭り”を復活させたい」という、踊り屋1Zenの思いとその活動に賛同し、町躍皷も毎年共に訪れています。 設営~お祭り~撤収作業の全てを、舞台に立つ人・出店する人・裏方さんがひとつになり、“手づくり”のお祭りを行なっています。(きよ)

この週末に行われる松島基地航空祭の渋滞を抜け、我々が「湊(みなと)夏祭り」の会場である松厳寺に到着すると、テントや”やぐら”の土台部分などが組み上がっており、ここからは町躍皷も設営作業に合流させてもらいました。

単管や足場板などで、イチから”やぐら”を組み、そこに黄色いハンカチや提灯を吊って完成させることは、町躍皷の活動では得られない貴重な経験であり、祭りに濃く携わる活動をしている町躍皷としては、この夏祭りに向けたモチベーションがとても上がりました!(ごう)

お祭開始1時間前、松巌寺から復興住宅までの往復の道のりを、担ぎ桶太鼓と大太鼓を使い“町躍皷の道ジュネー”で練り歩きました。石巻の地元で運営を担ってくれている方々が、事前にお祭りのお知らせを配ってくれていたお陰で、歓迎していただいていることを感じながら、松巌寺へ戻ることができました。

松巖寺から練り歩きに出発する際には、お客さんも出演者もみなさんであたたかく送り出して下さいました。

震災以降立ち消えてしまった祭りの"復活"から6回目にしてついに、地元石巻の方が主体となり開催できる運びとなった、ここ松巌寺を舞台にした”湊夏まつり”が始まりました! 毎年トップバッターを任せて頂いている町躍皷は、例年以上に舞台を練りに練って一層の気合いを込めて演奏しました。

石巻出身の自分としては、人一倍思いの強い演目「宴」で久々にセンターを任せて頂き、地元石巻で演奏できる緊張と心に期すものを自覚しながら、より強く打ち込みました。 たくさんの温かい拍手を頂き、言葉では言い表せない程の充実感を感じながら、最後まで全力で演奏することができました!(けい)

この祭りの主催とも言える、同郷・町田のよさこいチーム、踊り屋1Zenさんのよさこいの演舞では、1ステージ目は復興を願う思いと、昨年夏に亡くなられた踊り屋1Zenの代表、斉藤哲朗さんへの感謝の思いをのせ、今回で踊り納めとなる「桜龍変幻実謝」を、町躍皷も共に万感の演舞をしました。

踊り屋1Zenさんの2ステージ目は、新たな一歩をここから始めようという思いと、沢山の方々と出会ってきたご縁をこの先にも繋げたいという思いを込めて「縁」を、町躍皷も熱い思いを太鼓の音に乗せ、一緒に演舞させていただきました。(けい)

この湊夏まつりでは、始めた当初は、踊り屋1Zenのよさこい演舞と町躍皷の和太鼓演奏に、メインの盆踊り「大漁唄い込み」という祭りの構成でしたが、回を重ねていくことで、出演に手を挙げて下さる団体が少しずつ増えています。 地元石巻の方が主体となって運営できるようになった今回の祭りは恒例のオカリナ演奏に加え、地元石巻からスコップ三味線「スコッパーズ」とよさこいチーム「舞奇瓔(ぶきよう)」の2団体が出演して下さり、この祭りの舞台にも彩りが出てきました。 出演団体全員による合同演舞(乱舞)では「パプリカ」など、全員で1つの曲を踊り、壮観の舞台となりました。(へな)

そして夏祭りといえば盆踊り。石巻の盆踊りといえば"斎太郎節"で知られる「大漁唄い込み」です。松巌寺のやぐらの上から盆太鼓の音が響くと、自然と人の輪が出来上がりました。故郷石巻の夏祭りの思い出が蘇り、地元のご婦人方の踊りを頼りにしながら、みんなが笑顔で踊ることができました。(けい)

夏祭りの締めくくりは、恒例の“手持ち花火大会”です。 最初に一人の手持ち花火に火をつけ、そこから隣の人へ、また隣へと、花火の“輪”を広げていきます。 雨にも関わらず、子どもから大人まで、花火にそれぞれの想いを馳せていました。 最後の一人の花火が消え、今年の湊夏祭りが終わりました。

夏祭りのあとは、地元の方々・裏方さん・他の出演者の方々と一緒に懇親会に参加しました。 お互いの地元や活動のこと、日常の他愛ない会話の中に、時折「あの日」の深い話が交じります。 「太鼓の音がお腹と心に響いた」と言っていただき、我々が石巻に来た意義を改めて実感しました。(きよ)

祭り翌日は撤収作業です。 さみしさを感じながらも、自分達の手で組み立て設置した櫓を、自分達の手で解体し、貸してくださった地元の方へお返しに行きました。 準備から片付けを自分達の手で行うことにより、意義のある活動をさせていただいていると実感し、来年もまた…と思うことができます。

祭りの片付けが終わり、地元のまさこさんのお宅にお邪魔しました。地元の食材を使ったテーブルいっぱいのご馳走に驚きながらも、「いただきます!」の後は箸を置くことを忘れ、食べ続けるメンバー。一押しはワカメの天ぷら。もっちりサクサクで絶品でした!沢山のご馳走と優しさをありがとう!(へな)

石巻を出る前に、日和山に行きました。避難してきた人々を津波から守ったため、「命の山」とも呼ばれています。海と街が見える高台には、震災以前の街の写真がありました。震災の爪痕が浮き彫りとなり、心が痛むのと同時に、現在進行形の復興の力強さを感じました。(かお)

6回目となる松巌寺での「湊夏まつり」からはや1カ月と少し。その間、日常の活動ツイートをストップして続けてきた、18件にのぼる“石巻シリーズ”もこれで終了となります。お読み頂きありがとうございました。綴りながら、石巻への思いを改めて実感しました。また来年もよろしくお願いします!!(へな)